




はじめまして、須藤結衣と申します。先日、齢三十歳となりました。
この度は、石田さんにどうしても聞いていただきたい想いがあり、メールを送らせて頂きます。
私は栃木では、いわゆる名家の生まれで、幼少の頃よりまるで籠に入れられているように育てられました。
私の人生における全ての決定権は両親が握っており、学校、就職、付き合う友達までもが親によって決められていました。
そして、結婚までも・・・
私は、4年前に今の主人と籍を入れました。
就職してから2年目の時期です。
両親に決められた職場とは言え、遣り甲斐も芽生え始めた頃、私と相手方との両親の間で婚姻の話は進められており、
私はお見合いで一度きりしか会ったことのない男性と夫婦になる事となったんです。主人も私と同じ名家の生まれの方で、
私より11歳年上です。こういう言い方もなんですか、明らかな政略結婚でした・・・。
お恥ずかしながら・・・私は26年間の間に男性の方とお付き合いをしたことがありませんでした・・・・。
なので、主人とどのように接して良いのかわからないんです。
それでも、私は良い関係を気付こうと努めました。
少しでも、美味しい食事を召し上がって頂くため、料理教室に通いました。
生活空間を少しでも快適にするために、自分で花を生けました。
しかしながら、その努力を水の泡にするかのように、主人は私の事を気にも留めてくれないのです。
・・・抱かれたことなどありません・・・・。実は、私まだ・・・男性経験がないんです・・・処女なんです・・・・。

主人は私の事を抱いてくれません。
でも、他の場所で何人も恋人がいるんです。
私が主人の帰りを出迎えに、玄関を開けようとすると、主人と女性の話し声が聞こえます。
そして暫くの沈黙の時間、ガラス戸越しから見える二つの影が一つに重なるのです。私には決してしてくれない濃厚な接吻・・・。
私は嫉妬の想いで胸が燃えるように熱くなりました。背広から女性物の香水の匂いがすることや、
ワイシャツに口紅が付着していることは、日常茶飯事・・・。
そのことだけなら、まだ耐えられました。
もっと、信じられないような出来事があったんです。
その日は、主人から接待で遅くなると連絡を受けていたので、私は主人の帰りを待たずに床に就きました。
その日は、何か胸騒ぎがしていたのでなかなか寝付けず、私はただ布団の中でじっと目を瞑っていました。
すると、ドアが開閉する音が聞こえたのです。
主人が帰ってきたのだと思い、私はお出迎えをしようと、布団から身体を起こそうとしました。

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・・・そしたら・・・女性の声が聞こえたんです・・・・。 そして、主人とその女性は激しく愛し合ったんです。 部屋越しから女性のとても甲高い艶やかな声が聞こえてきました。 「ぁん・・やだぁ・・・ちょっと、奥さん起きちゃうじゃない・・・・」 そんな事を言っていたと思います。 そしたら主人は、その女性にこう言い返したのです。 「女房なんてのは、ただの飾りさ。お前の事しか見ちゃいないよ。ほら、もっと腰をこっちに突き出すんだ・・・。」 そう言って、二人はよりいっそう激しく愛し合っていくのです・・・。 悔しかったです・・・心のどこかではわかっていたのに、主人の口から実際にそんな事を言われたら、 心にすごい衝撃を受けてしまって・・・・。 私は、人生で初めて憤りを感じたかもしれません。 二人の前に現れて、怒鳴り散らそうとさえ思いました。 でも、私にそのような勇気はなかったんです・・・。 自分が情けなかった・・・。 でもそれ以上に情けなかったのは、主人とその女性との性交を覗き見て濡れてしまったことです・・・。 |
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主人は麻縄で彼女の身体を縛っていました。
その身体は彼女の身体に絡まり、更に主人の身体に覆われて、一層のこと妖艶に悶えるんです。
気が付けば私は、自身の下腹部に手を触れていました・・・。
そして、沸き上がった欲情を鎮めるために、布団に戻って、自分を愛撫したんです・・・。
嫉妬、憤慨、寂寥、様々な気持ちが私の中に浮かび上がりました。
でも、そんな思いよりも強かったのが、快楽を求めてしまう心。
私も、あんな風に縄に蝕まれながら、誰かに愛されたい・・・。
そんな思いにかられ、ずっと石田さんのような人を捜し求めていました。
この思いは適えて戴けないしょうか?